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アルマ通信

2013年3月07日 パンスターズ彗星とレモン彗星

間もなく3月10日頃から日本でも見えるようになるパンスターズ彗星と並んで現在、南半球で観測できる彗星がレモン彗星です。アルマ山麓施設から2つの彗星を捉えた写真が送られてきました。撮影日はチリ時間の3月5日です。写真右がパンスターズ彗星、左がレモン彗星、左下に設置されているのは、北米製12メートルアンテナです。(撮影:澤田剛士)

レモン彗星は2012年3月23日にアメリカのレモン山天文台で発見された新彗星です。2月から4月にかけて明るくなり、南半球では観測に適した彗星です。3月24日に太陽に最も近づき、その後明るさは暗くなっていきます。日本での観測条件はよくありませんが、5月頃から減光していく様子を観測できる可能性があります。

彗星は「汚れた雪だるま」と言われるように、主に氷と塵が集まったものです。太陽に近づくと、その熱で表面が少しずつ溶けて「コマ」と呼ばれる本体から「尾」ができます。彗星の尾は、その成分と見え方から大きく2種類に分けられます。ひとつは、ガスが作る「イオンの尾」です。これは、プラズマの尾とも呼ばれます。放出されたガス(イオン)は、太陽から出る太陽風に流されて太陽と反対の方向に細長く伸びます。写真左のレモン彗星は、右下から左上にかけてイオンの尾が長く伸びています。

もうひとつは、塵が作る「ダストの尾」です。放出された塵は太陽の光の圧力を受けて、太陽と反対の方向に伸びます。塵の大きさによって圧力の受け方が異なるために、イオンの尾とは違って広がりのある尾になります。写真右のパンスターズ彗星は主にこのダストの尾が見えています。

このように彗星本体から飛び出した尾の物質がどのような成分でできているのかを探るために重要なのが、その中に含まれる分子が放つ電波を観測することです。過去にやってきた彗星の尾からは有機分子が出す電波も確認されており、太陽系のなかでこれまでどんな化学反応が進んできたかを明らかにする重要な手がかりになっています。

文部科学大臣表彰、科学技術賞を受賞

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