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アルマ望遠鏡

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00 概要

人類がこれまで見ることができなかった宇宙の謎に挑むため最新の理論と究極の工作技術を結晶させたアルマ望遠鏡。その誕生の歴史から期待される科学成果まで、全貌を一挙紹介!

宇宙に一番近い天体観測地

アルマ望遠鏡(正式には、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計:Atacama Large Millimeter/submillimeter Array =『ALMA』)は、南米のチリ共和国北部にある、アタカマ砂漠の標高約5000メートルの高原に建設されます。アタカマ砂漠は年間降水量が100ミリ以下でほぼ年中晴天なこと、さらに標高が高いため水蒸気による電波吸収の影響を受けにくいことなどから、比較的短い波長(高い周波数)の電波でも観測可能で、アルマ望遠鏡の観測波長域となるサブミリ波もとらえることができます。また、土地も広く平坦なため、たくさんの望遠鏡の建設に適しています。

日本から現地までは、飛行機の乗り継ぎ込みで1日半以上かかりますが、アルマ望遠鏡設置に理想的な観測条件を備えた、地球上で究極の場所と言えるでしょう。

宇宙を見通す巨大な複眼『アルマ望遠鏡』

アルマ望遠鏡は、パラボラアンテナ66台を組み合わせる干渉計方式の巨大電波望遠鏡です。直径12メートルのアンテナを50台組み合わせるアンテナ群と、直径12メートルのアンテナ4台と直径7メートルアンテナ12台からなる「アタカマコンパクトアレイ (ACA:モリタアレイ)」で構成されています。
アンテナは全て移動可能なタイプです。アンテナを動かして、それらの間隔を最大16キロメートルまで広げることで、直径16キロメートルの電波望遠鏡に相当する空間分解能(=視力)を得ることができ、ミリ波・サブミリ波領域では世界最高の感度と分解能を備えた望遠鏡となります。
2002年から建設が始まり、2013年3月13日に開所式を挙行しました。

略称の「アルマ(ALMA)」は、チリの公用語となっているスペイン語で「たましい」を意味します。

アルマ望遠鏡の性能

直径12メートルのアンテナ4台と直径7メートルアンテナ12台で構成される「ACA」は、広がった天体を高い感度で観測することができます。一方で、直径12メートルのアンテナ50台で構成されるアンテナ群は、天体を高い分解能で細かく観測することができます。両者のデータを合成することで、細かい構造から広がった構造まで超高分解能を達成しつつ、精細でしかも天体の真の姿に忠実な電波画像を得ることができるのです。
アルマ望遠鏡の分解能は、すばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡の約10倍を誇ります。

国際共同プロジェクト

アルマ望遠鏡は、国立天文台を代表とする東アジア、米国国立電波天文台を代表とする北米連合、ヨーロッパ南天天文台を代表とするヨーロッパの国際共同プロジェクトであり、受入れ国のチリは土地の提供やアルマ望遠鏡の建設・運用について便宜を図ることで参加します。
過去には各々の国でそれぞれ独自の計画がありましたが、2001年4月にそれらの計画が統合され「アルマ計画」として動き出しました。国際共同プロジェクトとすることで、各国単独では人材的・経費的に困難な、高精度巨大望遠鏡を建設し、運用することが可能となります。また、日米欧それぞれが得意分野を分担し、より高い性能を追求できます。

日本は「ACA」と呼ばれる高精度の干渉計システムを構成する直径12メートルのアンテナ4台と直径7メートルアンテナ12台、サブミリ波を中心とする3種類の受信機、相関器などを担当します。「ACA」のアンテナは「いざよい」という愛称が名付けられました。詳しくは、 2010年3月19日付プレスリリース:日本のアンテナ愛称が「いざよい(十六夜)」に決定 をご覧ください。

ミリ波・サブミリ波

電磁波は波長でその呼び方が変わってきます。私達の目に見える光も「可視光」と呼ばれる電磁波の一種です。
最も赤外線よりの電波(波長が短い電波)を「サブミリ波」と呼び(波長は1ミリから0.1ミリ、周波数は300ギガヘルツ-3テラヘルツ)、次に波長が短い電波は「ミリ波」と呼びます(波長は10ミリから1ミリ、周波数は30ギガヘルツ-300ギガヘルツ)。ちなみに、すばる望遠鏡が観測するのは可視光と赤外線です。

宇宙空間にある塵やガスはとても冷たく(摂氏マイナス260度にも達する)、光や近赤外線を放射しないため、その姿を光の望遠鏡で見ることはできません。しかし、冷たい塵やガスはミリ波やサブミリ波を放射するため、電波の望遠鏡で暗黒の宇宙の姿を見ることができるのです。
今までは、技術的な困難と空気中の水蒸気の吸収により、サブミリ波での本格的な観測は進んでいませんでしたが、アルマ望遠鏡の建設でそれが可能になります。

見えてくるもの

アルマ望遠鏡が完成し観測が始まると、宇宙ができて間もない頃の生まれたての銀河や、星の誕生や太陽系のような惑星系の誕生、有機分子などの生命に関連した物質など、光(可視光)では見えない暗黒の宇宙が見えてきます。

私達の地球がある太陽系がどうやってできたのか、その太陽系がある銀河系がどうやってできてきたのか、そして我々の素となる生命の材料はどこからやってきたのか、アルマがいざなう、これらの謎を解き明かす旅は、私達のルーツを見出す旅でもあるのです。

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